よもや真話

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カテゴリ: 報道

少し前に、ハーバービジネスというネットメディアに『いまだ根強い「本当はSTAP細胞はあった!」説がやっぱりおかしいこれだけの理由』という記事が出ていたが、そこには幸福の科学出版の月刊誌「ザ・リバティ」の記事を拡大コピーしたものを掲げる人達の写真(つまり幸福の科学信者の写真)が使われており、小保方さんを応援する人達にカルト信者のようなイメージを与えるものになっていた。http://hbol.jp/110893

 表紙から既に印象操作的なものがあるが、記事の中身の方にも同様の問題が見られるので取り上げておきたい。
 

クマムシ博士の異名で知られる堀川大樹博士が書いたこの記事は、科学リテラシーの啓蒙が主眼となっていて、非専門家がSTAP問題を正しく理解が出来ないのは一部メディアの報道によるところが大きいとして、このようなことが書かれている。
『 たとえば2016年3月に、ドイツの研究グルがープが、STAP細胞の作製に成功したという記事が出回った(参照:「ビジネスジャーナル」)。これを読んで、「やっぱりSTAP細胞は存在した」と思った人も多いだろう。』

 ところが、堀川氏が「STAP細胞の作製に成功したという記事が出回った」としてそこで参照しているビジネスジャーナルでは「STAP細胞の作製に成功した」とは報じていない。堀川氏の記事は、大宅健一郎氏の書いた記事がその流通過程で「STAP細胞作製に成功!」というデマとなって拡散されたものを取り上げた、核心を外した反論記事になっている。

 

http://biz-journal.jp/2016/05/post_15081.html

記事をちゃんと読めばわかるが、大宅氏の書いた記事にはSTAP細胞作成に成功とは一言も書いておらず、論文にある酸処理後に多能性マーカーの一種であるAP染色陽性細胞の割合が増加した現象が、酸性ストレスによって細胞が初期化し多能性を示すSTAP現象と同じで、「癌細胞ではSTAP現象を再現出来た可能性がある」という言い方をしている。
 そして記事全体から読み取れる筆者の主張は、「STAP細胞の作製に成功した」という話ではなく、「日本では葬り去られたSTAP研究を継続する研究者がドイツにいた」という事実を知らせることを主眼としている。ところがそこにBJ編集者が記事にはない「STAP現象の確認に成功」という反則技の釣りタイトルを付けたおかげで、ニュースが拡散する過程で誇張され、「STAP細胞作製に成功!」という噂として広まっていたのが実態だ。

堀川氏の記事は、そうやって発生した噂を殊更に取り上げて、それに対して「それは間違っている」という論調になっている。つまり、ソースをきちんと読み込まずに堀川氏の中に形成された、実体のはっきりしないイメージに対する反論記事になっているのだ。一種の藁人形論法である。これは、昨年末に有志の会が報じたテキサス大学のiMuSCs論文について、伝言ゲームのように歪曲誇張して拡散された情報を捉えて、サイエンスライターの粥川準二が斜め上からの批判記事を書いたのと同じで、デマだと言うデマを書き立てることで、核心部分が目くらましされる形になっている。

 問題の核心は、小保方さんを窃盗犯呼ばわりまでしたSTAP細胞問題は未解決であり、STAP細胞はすべてがES細胞由来のものだとして、当時の野依理事長がSTAP研究自体が虚構とまで言った理研の結論が、間違っていた可能性があるということだ。
 
これまでにSTAP現象に関係しているとされた論文を改めて取り上げると以下の3報がある。

 

○昨年テキサス大の研究チームが発表したiMuSCs細胞は、STAP現象が部分的に再現されたものと言えるが、著者は独自の成果だと主張している。STAP論文は撤回されているため世界初の成果と言っても間違いではないが、これの前身となる論文では違う研究テーマだったものが、投稿論文で追加実験を加えてコンセプト自体が大きく転換されているのは、STAP論文の影響を受けた可能性が高い。

○ハイデルベルグ大ではSTAP論文に大いに触発され、癌細胞を使ってSTAP現象の再現を試みたが上手く行かなかった。しかし何がしかの興味深い現象を見ることは出来た。(これが大宅記事)

○ワシントン大ではSTAP現象を参考にした研究を続けて、癌細胞でOct-4GFPを発現という一定の成果を出している。

 数はまだ少ないが、これらは
まさに小保方さんの研究にインスパイアされたものと言っても良いだろう。そして更に、理研によるSTAP再現実験を論文化した相澤論文では、STAP再現実験の制約の大きさを強調し、暗に「この検証方法では決着は付いていない」と世界の科学界に投げかけている。小保方さんの研究が復権する日も近いかも知れない。

小保方晴子さんの手記「あの日」が出版されてから1ヶ月ほど経つが、手記出版に際して科学界からは「講談社から依頼された原稿の執筆も取りやめる」とか「講談社は生物系の研究者からボイコットされることを覚悟した方がいい」とか、ヒステリックで意味不明な批判が湧き起こっていた。
 そして、出版から1ヶ月が経ちベストセラーの兆しと共に世間の反応も見えてきた頃、元日経サイエンス編集者で科学ライターの詫摩雅子氏が、STAP騒動『あの日』担当編集者に物申す」という記事を書いた。しかし、正直言ってこの人が一体なにを言いたいのか良く分からない。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takumamasako/20160227-00053974/
 学術論文でもあるまいに、「手記」の主張内容に対して編集者が事実確認しなければならないだの、表現を柔らかくしろだの、検閲しろと言っているようなものだろう。仮に小保方さんの主張に矛盾があったとして、それもまとめて「小保方氏本人の主張」なのであって、名誉毀損等の問題がないかは代理人弁護士のチェックもあっただろうし、手記に対してそうした問題をとやかく言って編集者自ら表現の自由を制限しろとか、一体どこの国の話なんだと。この価値観はとても出版に携わる人のものとは思えない。

 おまけに、そういうことを言い出すのなら、日経サイエンスは、論文として採用される前の遠藤高帆氏の主張(査読を受けた論文の主張とは異なるもの、つまり科学的には間違った主張)を検証なしにそのまま載せていたそうだが、そっちは良いのかよという話で、というよりも「科学雑誌」と名乗ってるからにはこっちの方がよっぽど大きな問題だと私は思うわけで、ものごとを何でも自分の都合よく解釈するご都合主義が、こうした自己矛盾を起こすことになるのだろう。

 科学ライターの肩書きを持つ人達はこんなのばかりで本当に嫌になる。理研が不正認定した捏造や改竄など、科学のことを正しい日本語で伝えることも出来ないような人々が、「科学ジャーナリスト」として存在しているのは、社会にとって有害無益と言うほかないだろう。


 もう一本は、産経新聞の「新聞に喝!」というコラムに載った「著書で記者ら名指し攻撃する小保方氏の背景にあるものとは…京都大学霊長類研究所教授・正高信男」というもので、この人の主張も何を言っているのか良く分からない。

http://www.sankei.com/column/news/160228/clm1602280005-n1.html
『そもそも小保方氏は、弁明の公的機会を何度も与えられてきたのに』

 「あの日」を読んでも、理研が小保方さんに対して何をやったか、この先生は読み取れなかったのだろうか。
 調査委員会に対して科学的反論をするための証拠はすべて若山研究室に握られ、外部に対する「弁明の公的機会」も理研によって奪われ続けていたことは「あの日」の主たる主張のひとつだ。

『小保方氏は一連の騒動の最初の段階から、メディアを最大限に利用して売名しようとする姿勢が露骨であったように見える。』

 なぜ「小保方氏」が主語になるのだろう。メディアを利用したのは、理研広報と笹井さんではなかったか。小保方さんが周りの思惑に翻弄されていたのは、本人の手記を読むまでもなく分かることだ。

 それがどうしてこのような解釈になるのか理解に苦しむ。
『著書で特定の相手を名指し攻撃までするということの背景に、メディアを私物化することに執心しているふしがあると感じてしまう。』

・・・

『今月2日付産経に、実験の一部は再現できていたとの小保方氏の主張に対して、理研関係者から「科学者なら科学の場で議論すべきだ」などと困惑の声が上がっている、との記事が出ていた。もっともな話だろう。』

 これはぜんぜん「もっともな話」ではない。
 この手記は「研究者の道が閉ざされた」からこそ出版されたものであり、捏造犯と認定して科学者失格の烙印を押した上で、「別の世界で活躍してください」と言ってきた理研から「科学者なら」とか言われたくないだろう。
 逆に「野依先生のご指示の通り、別の世界で活躍することにしました」と嫌味を返されても当然のことを理研はしたのだから。


本当に手記を読んだ上で書いているのか疑問に思う程、この記事全体が的を外しまくっていて、これを読んだ私の感想としては「何でこの先生はこんなに必死なんだろう」という印象だ。

 東京大学医科学研究所特任教授の上昌広という人は、STAP騒動の中でNHKを初め多数のテレビ番組に頻繁に出演してSTAP細胞問題についての解説をし、公共の電波によるバッシングの旗手を務めてきた人物だが、彼は「STAP騒動から何を学ぶべきか」という文章で、こんなエピソードを語っている。http://ironna.jp/article/784

 実は、私がテレビ出演を決めた理由は、旧知のテレビ関係者への義理からだけではない。ボストン時代の小保方氏を知る女性研究者から、色んな話を聞いていたからだ。

 彼女は誠実な研究者だ。私は彼女の情報を信用した。後日、様々な報道を通じて明らかになった事実とも符合する。

 ここで全てを書くことはできないが、彼女は「小保方さんが実験している姿はあまり見たことがない」と言い、「彼女はまともな研究者ではない」と強調した。

 つまり、人づてに聞いた噂話を信用し、そうした先入観を前提にしてSTAP細胞問題についてテレビであれこれ語っていたのだ。そんな上氏が先日ツイッターで、小保方氏の手記「あの日」に関して『小保方さんの本に対し、若山教授は反論するだろうか。そこがポイントだと思う。』などという暢気なツイートをしているのを目にしたので、私は『この騒動に自分がどれだけ影響を与えたか、この人は自覚がないのだろうか。』というツイートをしたら即座にブロックされてしまい、その後は閲覧できなくなってしまった。
 私は、大隅典子氏からもたった一度のツイートでブロックされた経験があるが、自身が社会的な発言をしているのであれば、批判されたら即ブロックというのはいかがなものか。ましてや自分もマスメディアやネットで批評活動を行っている以上、自分のツイートのリプ欄に悪口が書かれるとか、しつこい回答要求のようなものでもない限り、耳の痛い批判に耐えられないならミュートでやり過ごすのがマナーだと私は思う。批判の言葉に対して耳を塞ぐばかりか閲覧拒否までしてしまうのなら、初めからSNS上で社会的な発言をすべきではないだろう。

 ところで、「STAP騒動から何を学ぶべきか」に登場する『ボストン時代の小保方氏を知る女性研究者』が、上氏に対して「小保方像」の先入観を植え付けた訳だが、彼女が小保方氏のことを非難する感情的な言葉は、ツイッターで小保方バッシングを繰り返すワシントン大学の鳥居啓子氏を髣髴とさせ、その「女性研究者」もまた小保方氏に対して「生理的嫌悪感」を抱いているように思える。また『小保方さんが実験している姿はあまり見たことがない』と言っている時点でこの証言者は嘘吐きだ。
 上氏はマスコミ関係者にもこのような噂話を伝えていたことだろう。この人がSTAP騒動で社会に与えた影響を思えば、『小保方さんの本に対し、若山教授は反論するだろうか。そこがポイントだと思う。』なんて暢気な評論を出来る立場ではないはずだ。他にも『小保方さんに若山教授は反論すべきです。頬被りし、それを許す学界は問題です。』など、もっともらしいことをツイートしていたが、自分も科学者ならネットやテレビを使って他人事みたいに放言する前に、学界の偉い人達と直接議論して問題解決に向けた説得をするのが先だろう。

 私がこのツイートをした翌日、ビジネスジャーナルというネット媒体にこんな記事が出ていた。
「小保方本で批判の若山教授、反論できない理由…責任取らず科研費の受領継続、管理能力に問題」
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13735.html
 この記事では、若山氏が「あの日」に反論していないことを以って「反論できない理由がある」という憶測を誘導し、憶測に憶測を重ね『研究者、とくに管理職としての「矜持」』がないと若山氏を非難をしている。上昌広氏は今度は「若山バッシング」の旗を振り始めたらしい。おまけにこの人は、東京大学の大量論文不正の親玉で懲戒を受ける前に自主退職した(退職金も出ている筈)加藤茂明氏のことを、「責任を取った」と褒め称えていたりしている。この人の批評行動は支離滅裂だ。


 STAP騒動では、理研の華々しい記者発表後のマスコミの「リケジョの星」に対する熱狂ぶりも行き過ぎたものがあったが、疑義が出た後の報道とネット上に見られる論調は異様な「空気」に支配されていた。「専門家」を名乗る人たちの人権感覚のなさに、信じられない思いと絶望感のようなものを感じながら、私はずっとこの経緯を見てきた。誹謗中傷の言葉で溢れ返るネット上で見る、科学者達の「言葉の重み」に対する無自覚さに驚いた。

 私は「言論の自由」こそが、権威・権力の横暴を許さないために死守すべき「人権」であると考えている。

 しかし、「言論の自由」も公共の福祉に反する場合には制約を受けることもあり、往々にして「言論の自由」は「人の名誉」という人権と対立する。それは今回の騒動のもっとも重要な問題のひとつだと私は捉えている。
 上昌広氏はNHK他のマスコミに頻繁に登場してSTAP問題についての「解説」を行っており、彼の言動が社会に与えた影響は非常に大きく、マスコミやネット上で「名誉毀損」が溢れかえっていた大きな原因のひとつとして彼の言動があることは見過ごすことは出来ないだろう。「小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会」ではNHKの報道に対する公開質問」を出しているが、その不正なニュースで解説をしているのも上昌広氏だ。http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/archives/1023340333.html

 「名誉毀損」については、その違法性阻却要件として「公共性」「公益性」「真実性」があるが、小保方バッシングにおいては「真実性」が極めて怪しい情報で溢れかえっていたが、「公共性」「公益性」における重要性の方が遥かに優っているという暗黙の了解があったように思える。「公共性」については現在でも疑いようのないことだが、「真実性」については甚だ疑わしく、さらに「公益性」という部分でも、対小保方晴子、対若山照彦、対加藤茂明に対する批評行為の支離滅裂さからも、上昌広氏の言論には「公益」はなく「公害」でしかないと私は思う。こんな人間をテレビが重宝がるのは金輪際やめて欲しいと心の底から願っている。


 ところで、STAP騒動における名誉毀損については、ネットの誹謗中傷で私がもっとも許せないと思ったのが、STAP問題について熱心に議論されているブログのコメント欄に書き込まれた「国立大学教員」と名乗る人物のコメントだ。
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/16144084.html 
 その人物はコメント40.41.43.44.でこのような発言をしている。

 『彼女の深い「病み」は、伝染病のように、彼女にかかわった人に影響を与えてしまうようだ』『正常な人間が、一人の人間を死に追い込んでおいて、絶不調とはいえ、通勤して研究するなどどう考えても普通の精神ではありません。』

 この「国立大学教員」なる人物が何者かは分からないが、匿名とは言え「国立大学教員」の名でネット上にこのようなことを書き込み、『私はあちこちで、彼女は病気なので、会見などさせるべきではなく、早く適切な治療を受けることに専念させるべきだと主張してきました。』などと、”あちこちで”「小保方晴子は病んでいる」と触れ回ったというのだから酷い話だ。この人物のこうした行為は紛れもない名誉毀損行為であり、この人物が本当に「国立大学教員」で、もし仮に学会で多少なりとも影響力のある人物であったならば、その「名誉毀損」の責任は重く、まさに裁判で訴えるべき相手だと私は思う。この国立大学教員の「触れ回る」行為は、個人的には一連のSTAP騒動の中で「もっとも許せない行動」のひとつだと思っている。この「国立大学教員」には、表に出て来てきっちりと責任を取ってもらう必要があるだろう。

STAP騒動の不幸は、kahoの日記「STAP細胞など存在しない」のレポートと、大隅典子日本分子生物学会前理事長のブログ「仙台通信」でまことしやかに噂された「杯様体」説が、NHK藤原淳登記者など科学記者達に「STAP細胞はES細胞に間違いない」という確信を与えてしまったことだろう。

先般、海外の研究チームから「STAP現象」と同様のものが報告されたというネット情報を見て、やはり遠藤氏の仮説は間違っていた可能性が高いと改めて感じている。ただ、遠藤氏がアクロシンとトリソミーで「STAP細胞など存在せず、あれはES細胞に違いない」と確信していたこと自体は、自分の仮説を確信するというのは研究者に良くあることだろうから、責められるべきことではないとも思っている。

想像するに、遠藤氏は論文のデータにSTAP細胞で使われるはずのないおかしなものを発見し、自分の仮説を著者らに突きつけたとき納得のいく回答が返ってこずに、笹井氏からは「もう少し慎重に調べなければならない。今は公表すべきではない」などの回答があったのだろう。それに業を煮やした遠藤氏が「kahoの日記」を始めて、社会に訴え始めたのだろう(この件について私は「公益通報に”類する”もの」という評価を一応している)。しかし、これは不正揉み消しなどではなく、単に「自分の見解を上司に一蹴されただけ」という見方も出来るだろう。

そして、この流れは若山氏の論文撤回呼びかけへと繋がっている。若山氏も、データにおかしなものがあり、「信じられなくなった」ということで、共著者に論文撤回を呼びかけるところまでは理解できる行動だ。

しかし、ここからが問題なのだが、若山氏はいきなりマスコミの前に出るのではなく、笹井氏らとしっかり話し合うべきではなかったか。なぜ若山氏は話し合いもせず逃げ出したのだろう。遠藤氏の仮説もまるで「真実」であるかのごとく流布させるのではなく、学会内部で慎重に検討されるべきものではなかったか。

ところがそうならなかったのは、遠藤氏と若山氏を神輿に担いだ人たちがいるからだ。以前から批判している日本分子生物学会理事長以下理事達や、遠藤氏の後ろ盾となった理研内部の人達の責任が大きい。彼らは、遠藤氏の仮説を無批判に支持して、若山氏の言い分を丸ごと鵜呑みにして、学界の権威の立場からSTAP潰しに向かう発言を繰り広げた。

マスコミもすっかりそれに同調して、リーク報道合戦。あまりに出鱈目すぎやしないだろうか。
STAP細胞など存在しないのですから」から始まったこの狂乱は、論文著者達の周りで何が起こっていたのか最初から見直されなければならないだろう。

そして今、科学者がやるべきことは、「あれは本当にES細胞だったのか」ということを見直すことであり、
マスコミがやるべきことは、小保方氏に「絶対にSTAP細胞を再現してください」と言い残して亡くなった笹井氏が「真偽の判断には理研内外の予断ない再現検証が必要である」と言っていた「STAP現象」と同じものが海外の研究チームから報告されているということを報道することだ。

NHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」について、「人権侵害の限りを尽くした」とする小保方晴子氏からの申し立てに、BPO放送人権委員会は審理入りすることを明らかにした。http://www.bpo.gr.jp/?p=8254&meta_key=2015
まさに「人権侵害の限りを尽くした」NHKの報道姿勢について、BPOは厳しく追及して行って欲しい。
NHK側は、この小保方氏からの人権侵害申立に対してこう反論している。

 「本件番組は、申立人がES細胞を盗み出したなどと一切断定していない」としたうえで、「今回の番組は、世界的な関心を集めていた『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、2000ページ近くにおよぶ資料や100人を超える研究者、関係者の取材に基づき、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」と反論した。

「盗んだと断定しない」ように「表現に配慮」したものだから人権侵害ではないと言いたいのか。

NHK
スペシャルが放送された翌日、元NHK職員でネットやマスメディアでも論客として大きな影響力を持つ池田信夫氏は「なぜ小保方氏はES細胞を盗んだのか」というブログ記事を書いており、問題の場面についてこう述べている。

 STAP
細胞と称するサンプルのDNAが若山研究室のES細胞と同一で、彼女の研究室の冷凍庫にも同じES細胞があった。ここまでは既報だが、そのES細胞をどこから入手したのかが問題だ。この番組では、元留学生が電話で「私は渡していない。驚いた」と話していた。
 これだけでは決め手にならないが、彼女の冷凍庫にあったES細胞が若山研究室のもので、誰もそれを渡していないとすれば、彼女が盗んだと考えるしかない。

実名でここまで「正直」に書いた人はあまりいないが、テレビ視聴者の「印象」としては大方こう受け止められていると言って良いだろう。事実、ネット上では「盗んだ」ことがまるで「事実」であるかのように流布していったわけで、元理研研究員の石川智久氏は「小保方氏が名声や安定した収入を得るため、STAP論文共著者の若山照彦教授の研究室からES細胞を無断で盗み出した」として刑事告発をした。(警察はその告発状は受理せず、被疑者不詳の窃盗事件として捜査)

この「風評」の原因がNHKスペシャルであることは疑いようがなく、「断定していない」という言い訳は通用するはずがない。番組放送と人権侵害の因果関係は明白であり、番組制作関係者の責任は極めて重大だ。

この「泥棒呼ばわり」については、小保方氏は両氏に対して名誉毀損で告訴する可能性もあると私は思っている。
裁判になった場合、池田信夫氏は「泥棒呼ばわり」の根拠としてNHKスペシャルの放送内容を挙げることになるだろう。すると司法によって番組制作の正当性が問われる可能性もあり、そこからNHKの不正が暴かれることになるかもしれない。一方、石川氏の場合は「泥棒呼ばわり」の根拠として「証言者」がいるはずで、それも司法によって暴かれることになるかもしれない。

BPO
の審理入りは、窃盗事件の捜査と合わせてSTAP事件全体の真相解明に近づく第一歩なのかもしれない。

NHKのスクープとして320日に流れたニュースについてもう一度考えてみた。かなり妄想が入っているのでその点は断っておきたい。

 STAP細胞の問題で、万能細胞作製の決定的証拠とされた緑色に光り出す細胞について、小保方晴子元研究員が去年11月、STAPと判断するための確認が十分できていなかったという内容の証言を調査委員会にしていたことが分かりました。4月の記者会見の発言とは異なる内容で専門家は、理研は、詳しい証言内容を明らかにすべきだとしています。緑色に光り出す細胞は、体の細胞が、万能細胞に変わったものだとされ小保方元研究員らが去年1月の記者会見でもSTAP細胞が出来た決定的な証拠だと映像などを発表しました。

 これに対して、多くの専門家からは細胞が死んだ時に光る「自家蛍光」という現象でSTAP現象とは関係がないという指摘が出ましたが、小保方元研究員は、4月の記者会見で自家蛍光ではないことを確認していると否定していました。

 ところが、NHKが去年11月に小保方元研究委員が調査委員会に証言した内容を入手したところ「自家蛍光なんじゃないかとかそこまで思ってなかった」と話し、委員から「調べれば簡単に分かりますよね」と尋ねられると「やってなかった」「甘かった」などと答え、STAPと判断するための確認が十分できていなかったという内容の証言をしていました。

 映像は、自殺した笹井芳樹元副センター長がSTAP細胞を信じる根拠だと話していたもので理化学研究所の対応にも影響を与えたと指摘されています。東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は「真相解明が遅れるなど重大な影響が出たおそれがある。STAP細胞は否定されたが小保方氏自身がどう説明したのか理研はもっと明らかにする必要がある」と話しています。これについて小保方晴子元研究員の見解を、代理人の弁護士を通じ求めましたが、回答はありませんでした。

このニュースがどういう経緯で流れたのか推理してみる。
STAP問題はリーク報道がやたらと多いのが特徴的だった。その情報源はいくつもあってNHKは情報源をたくさん持っている。私は、STAP問題におけるリークの動機は最低三つあると思っている。巨大な罠があったという陰謀説だともうひとつ増えるが、それはこの際除外する。三つとは、正義感によるもの、私怨によるもの、煙幕的に情報をコントロールしようとするもの。

そして、今回のリークは「正義の有志」でもなく、私怨によるものでもなく、理研本部を守ろうとする勢力による可能性が高いのではないかという気がしている。情報の内容から見て組織の上の方から得たと思われるからだ。


3
20日は野依理事長が記者会見を開き、STAP問題の実質的終結宣言が出される日だった。そのタイミングで流されたニュースだったため、このまま終結することが許せない「理研有志」の義憤によるものかと最初は考えた。そしてNHKの記者も強い正義感で「このまま終わらせてたまるか」という気持ちがあり、この情報に飛びついたのだろうと。しかし、良く考えるとどうも情報の質が下っ端の人間が手に入れるような性質のものではなかった。また、後に藤原記者が書いた記事で情報の中身が判明したが、先日指摘したように特にスクープと言えるほどの重要証言でもなく、隠蔽された事実を暴露すると言った性質の資料ではなかった。証言内容は不正問題とは直接関係がなく、単に小保方氏の未熟さを指摘する意味合いしか持たない中身であった。

ここで、改めて320日のニュースを見てみる。
このニュース原稿の書き方と後の記事を比較すると、もしかしたらこの時点では資料そのものはまだ入手しておらず、「いつもの情報源」からメール程度で「こういう話があるよ」というリークを受けた状態だった可能性もあるように感じる。いつもの信頼できる情報源であれば、紙ベースの資料がなくても報道される可能性もあるのではないか。そして、「いつもの情報源」がこのタイミングでリークした理由は「野依会見」と関係しているのは間違いないだろう。その動機だが、「このままでは終わらせない」という記者の思いとは別の、野依会見のニュースで予想される理研批判を、滅多に表に出てこない小保方証言というインパクトのあるニュースで国民の目を逸らしたい意図があったのではないだろうか。つまり、このリークには理研本部を守りたい意思が働いていたということだ。もしかしたら、今回の情報源は調査関係者自身ではなく、文科省からの出向者などの事務方なのかも知れない。
NHKSTAP報道は個人攻撃の度合いが強く、結果的に理研本部を守る方向に力が働いているのだが、もしかしたらNHKの「取材班」は、文科省と理研本部の情報コントロールに踊らされているのではないだろうか。そんなことを思ったりふとグルなのかとも思ったり。

STAP問題は、理研の最終的な対応から見て小保方氏がES細胞を故意に混入した可能性はほぼなくなり、他の可能性も分からぬまま真相は藪の中となったが、どうしても小保方氏を追い詰めないと気がすまない者が理研内部にいるらしい。野依理事長の記者会見(実質的な終結宣言)のタイミングに合わせて調査委員会での証言をNHKにリークした者がいたのだ。

NHK
の藤原記者も、どうしても小保方氏を追い込みたいらしく、調査員とのやり取りを都合よく利用し「小保方氏が嘘をついた」という印象操作に走った。調査委員会での証言と記者会見での発言が矛盾していると言うのだ。
http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/archives/1023340333.html
(註:当初リンクしていたNHKのページがリンク切れの為、コピーのあるページに差し替え)

調査委員とのやり取りで、小保方氏はスペクトルによる赤緑判別をしなかったことを「甘かった」としているが、笹井氏が証言した方法による確認を否定しているわけではない。そこに書かれた会話の前後の文脈も分からず、(中略)とされた部分は会話を歪曲して伝えるためにマスキングした疑いもあるが、時系列で見れば若山研でマウスが光りキメラマウスが出来たことで自家蛍光の判別もしなかったことを「甘かった」と言っていて、笹井氏と丹羽氏が参加し論文を仕上げる段階ではFACSによる確認をして「自家蛍光でないことを確認した」ということになるだろう。
ところがNHKの報道では、小保方氏が記者会見で「自家蛍光でないことを確認している」と発言したのがあたかも嘘であったかのような印象操作をして、実際そういう風に受け取ってしまっている人も多い。

NHK報道姿勢は、こういう風に別の事実を巧妙に混ぜて「会見で嘘をついた」印象を与え、単独犯行説を強化させようとしている。同様の手口は、平成26727日放送のNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」でも行われた。番組ではあたかも小保方氏が細胞を盗んだと印象付ける演出をしていたが、その時も別の話を巧妙に混ぜた悪質な手法が使われている。その件に関しては「一研究者・教育者の意見」で検証されていて(検証記事補完記事)、私も別の角度から捏造の可能性について指摘している。NHKSTAP報道における印象操作は、昨年4月の不服申し立て会見の後の「証拠を提示しなかった」連呼の頃から徹底している。こういう悪質な印象操作をしてまで個人を追い込もうとするNHK、いったい何をしようとしているのか。笹井氏ひとりだけではまだ殺したりないのか。
NHKこの問題は、報道のあり方として厳しく追及される必要があるだろう。

元理研の石川智久氏による刑事告発のニュースはスポーツ紙以外ではテレ朝など民放数社を除いて見当たらず、大手新聞やNHKは一切報道しなかった模様。世間は刑事告発されただけで「窃盗の事実があった」という誤った印象を受けしまう可能性があるのでその危険を避けたということか。ではなぜその危険を避けたかといえば、それだけこの刑事告発は根拠が不確かな怪しい告発だということなのだろう。

しかし、このNHKの姿勢は矛盾している。
平成26年7月27日放送のNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」ではあたかも小保方氏が盗んだような演出がされていたではないか。純心な視聴者には確証があるかのように思わせた。事実、池田信夫は番組を真に受けて「なぜ小保方氏はES細胞を盗んだのか」というブログ記事まで書いている。http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51906634.html
NHKに確証があるなら、この刑事告発は民放と同じように報道されてもおかしくないではないか。というより、公共放送としての姿勢に一貫性を持たせるためにも報道すべきだろう。報道は「石川氏が刑事告発をした」事実だけを伝えればいいので、仮に「窃盗の事実」が間違いであっても責任を取る必要はない。なのに報道されない。なぜか。理由は元々NHKは証拠も裏付けも持っていなかったからだ。NHK自身が裏を取れない怪しい告発だから報道しないのだ。

つまり、Nスペは噂に過ぎなかったものをまるで事実であるかのように演出し放送していたということだ。NHKが石川氏の刑事告発の件を報道しなかったという事実は、故笹井博士を自殺するほど追い詰めたとも言われるNHKスペシャルが捏造番組だったと白状したようなものではないか。

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