小保方さんが大学院生時代に書いた論文が撤回されたらしい。小保方さん以外の共著者からの申し出によるもので、小保方さんとは連絡が取れていないとのこと。

http://www.nature.com/nprot/journal/v11/n3/full/nprot0316-616a.html
Retraction: Reproducible subcutaneous transplantation of cell sheets into recipient mice
Nat. Protoc. 6, 1053–1059 (2011); published online 30 June 2011; retracted 13 January 2016
 「エラーバー」の不自然さが、全体の信頼性を損なうとの理由らしい。小保方さんの改竄行為があったと言いたいようだ。このタイミングでこの理由による撤回がされた理由を憶測すれば、「あの日」によって博士論文再指導と博士号取り消しのやり方を非難された早稲田大学が、揚げ足取り攻撃によって「一連の問題すべてが捏造常習犯小保方がしでかしたこと」という形にしてしまい、大学院教育の欠陥を誤魔化し保身を図ろうとしているようにも思えるが、撤回日付は1月13日になっているので、手記出版がきっかけという訳ではなさそうだ。ということは、博士号取り消しに不満を表明していた小保方さんを完全に潰そうとしたら、小保方さんに先手を取られていたと見た方が良いのかも知れない。

 全面戦争の構えにも見えるが、小保方さんはこれを相手にする必要はない。論文全体の責任はラストオーサーが負うべきものであり、瑕疵がある論文を出した責任はラストオーサーの岡野氏にある。小保方さんについては、手記を出している時点で既に彼女は日本の科学コミュニティとは決別しているわけで、何も失うものがない状態で、論文が撤回されようがエラーバーの不自然さが不正と認定されようが、それは最早「些細なこと」でしかない。

 小保方さんの科学的正当性については、「あの日」の読者などによる世論の高まりを背景に、理研に対して不正調査の不当性を訴え裁判を起すという考えもあるが、裁判となると自分の科学的主張を裏付ける鑑定人などの証人が必要になってくる。日本中の科学者を敵に回したようなこの戦いで、小保方さんの味方をしてくれる「権威」が現れる可能性は限りなくゼロに近いだろう。理研を相手に民事訴訟を起しても「科学的正当性」を勝ち取るのはかなり難しい。

 結局、 小保方さんの名誉回復は、STAP騒動を刑事事件として捜査している警察に期待するしかないだろう。そして、日本の司法が政治圧力を受けずにちゃんと機能できたら、理研の犯罪を暴くことが出来るだろうし、そうしたら「STAP細胞はあります」の間接的な証明も可能だ。そして日本の生命科学コミュニティは世界中の信頼を失うことになり、完全に崩壊することになるだろう。引き返すチャンスはいくらでもあったのに立ち止まることをしなかったのは、狂気に蝕まれた権威主義者達の「馬鹿デカイ声」を世論と勘違いしてしまった誤算のせいなのかもしれない。

朝日新聞では『英科学誌「元データ確認できず」』とご希望通りの見出しで報道している。
http://www.asahi.com/articles/ASJ2V7SKDJ2VULBJ01V.html

この騒動は一体どんな結末を迎えることになるのだろうか。