東京大学医科学研究所特任教授の上昌広という人は、STAP騒動の中でNHKを初め多数のテレビ番組に頻繁に出演してSTAP細胞問題についての解説をし、公共の電波によるバッシングの旗手を務めてきた人物だが、彼は「STAP騒動から何を学ぶべきか」という文章で、こんなエピソードを語っている。http://ironna.jp/article/784

 実は、私がテレビ出演を決めた理由は、旧知のテレビ関係者への義理からだけではない。ボストン時代の小保方氏を知る女性研究者から、色んな話を聞いていたからだ。

 彼女は誠実な研究者だ。私は彼女の情報を信用した。後日、様々な報道を通じて明らかになった事実とも符合する。

 ここで全てを書くことはできないが、彼女は「小保方さんが実験している姿はあまり見たことがない」と言い、「彼女はまともな研究者ではない」と強調した。

 つまり、人づてに聞いた噂話を信用し、そうした先入観を前提にしてSTAP細胞問題についてテレビであれこれ語っていたのだ。そんな上氏が先日ツイッターで、小保方氏の手記「あの日」に関して『小保方さんの本に対し、若山教授は反論するだろうか。そこがポイントだと思う。』などという暢気なツイートをしているのを目にしたので、私は『この騒動に自分がどれだけ影響を与えたか、この人は自覚がないのだろうか。』というツイートをしたら即座にブロックされてしまい、その後は閲覧できなくなってしまった。
 私は、大隅典子氏からもたった一度のツイートでブロックされた経験があるが、自身が社会的な発言をしているのであれば、批判されたら即ブロックというのはいかがなものか。ましてや自分もマスメディアやネットで批評活動を行っている以上、自分のツイートのリプ欄に悪口が書かれるとか、しつこい回答要求のようなものでもない限り、耳の痛い批判に耐えられないならミュートでやり過ごすのがマナーだと私は思う。批判の言葉に対して耳を塞ぐばかりか閲覧拒否までしてしまうのなら、初めからSNS上で社会的な発言をすべきではないだろう。

 ところで、「STAP騒動から何を学ぶべきか」に登場する『ボストン時代の小保方氏を知る女性研究者』が、上氏に対して「小保方像」の先入観を植え付けた訳だが、彼女が小保方氏のことを非難する感情的な言葉は、ツイッターで小保方バッシングを繰り返すワシントン大学の鳥居啓子氏を髣髴とさせ、その「女性研究者」もまた小保方氏に対して「生理的嫌悪感」を抱いているように思える。また『小保方さんが実験している姿はあまり見たことがない』と言っている時点でこの証言者は嘘吐きだ。
 上氏はマスコミ関係者にもこのような噂話を伝えていたことだろう。この人がSTAP騒動で社会に与えた影響を思えば、『小保方さんの本に対し、若山教授は反論するだろうか。そこがポイントだと思う。』なんて暢気な評論を出来る立場ではないはずだ。他にも『小保方さんに若山教授は反論すべきです。頬被りし、それを許す学界は問題です。』など、もっともらしいことをツイートしていたが、自分も科学者ならネットやテレビを使って他人事みたいに放言する前に、学界の偉い人達と直接議論して問題解決に向けた説得をするのが先だろう。

 私がこのツイートをした翌日、ビジネスジャーナルというネット媒体にこんな記事が出ていた。
「小保方本で批判の若山教授、反論できない理由…責任取らず科研費の受領継続、管理能力に問題」
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13735.html
 この記事では、若山氏が「あの日」に反論していないことを以って「反論できない理由がある」という憶測を誘導し、憶測に憶測を重ね『研究者、とくに管理職としての「矜持」』がないと若山氏を非難をしている。上昌広氏は今度は「若山バッシング」の旗を振り始めたらしい。おまけにこの人は、東京大学の大量論文不正の親玉で懲戒を受ける前に自主退職した(退職金も出ている筈)加藤茂明氏のことを、「責任を取った」と褒め称えていたりしている。この人の批評行動は支離滅裂だ。


 STAP騒動では、理研の華々しい記者発表後のマスコミの「リケジョの星」に対する熱狂ぶりも行き過ぎたものがあったが、疑義が出た後の報道とネット上に見られる論調は異様な「空気」に支配されていた。「専門家」を名乗る人たちの人権感覚のなさに、信じられない思いと絶望感のようなものを感じながら、私はずっとこの経緯を見てきた。誹謗中傷の言葉で溢れ返るネット上で見る、科学者達の「言葉の重み」に対する無自覚さに驚いた。

 私は「言論の自由」こそが、権威・権力の横暴を許さないために死守すべき「人権」であると考えている。

 しかし、「言論の自由」も公共の福祉に反する場合には制約を受けることもあり、往々にして「言論の自由」は「人の名誉」という人権と対立する。それは今回の騒動のもっとも重要な問題のひとつだと私は捉えている。
 上昌広氏はNHK他のマスコミに頻繁に登場してSTAP問題についての「解説」を行っており、彼の言動が社会に与えた影響は非常に大きく、マスコミやネット上で「名誉毀損」が溢れかえっていた大きな原因のひとつとして彼の言動があることは見過ごすことは出来ないだろう。「小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会」ではNHKの報道に対する公開質問」を出しているが、その不正なニュースで解説をしているのも上昌広氏だ。http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/archives/1023340333.html

 「名誉毀損」については、その違法性阻却要件として「公共性」「公益性」「真実性」があるが、小保方バッシングにおいては「真実性」が極めて怪しい情報で溢れかえっていたが、「公共性」「公益性」における重要性の方が遥かに優っているという暗黙の了解があったように思える。「公共性」については現在でも疑いようのないことだが、「真実性」については甚だ疑わしく、さらに「公益性」という部分でも、対小保方晴子、対若山照彦、対加藤茂明に対する批評行為の支離滅裂さからも、上昌広氏の言論には「公益」はなく「公害」でしかないと私は思う。こんな人間をテレビが重宝がるのは金輪際やめて欲しいと心の底から願っている。


 ところで、STAP騒動における名誉毀損については、ネットの誹謗中傷で私がもっとも許せないと思ったのが、STAP問題について熱心に議論されているブログのコメント欄に書き込まれた「国立大学教員」と名乗る人物のコメントだ。
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/16144084.html 
 その人物はコメント40.41.43.44.でこのような発言をしている。

 『彼女の深い「病み」は、伝染病のように、彼女にかかわった人に影響を与えてしまうようだ』『正常な人間が、一人の人間を死に追い込んでおいて、絶不調とはいえ、通勤して研究するなどどう考えても普通の精神ではありません。』

 この「国立大学教員」なる人物が何者かは分からないが、匿名とは言え「国立大学教員」の名でネット上にこのようなことを書き込み、『私はあちこちで、彼女は病気なので、会見などさせるべきではなく、早く適切な治療を受けることに専念させるべきだと主張してきました。』などと、”あちこちで”「小保方晴子は病んでいる」と触れ回ったというのだから酷い話だ。この人物のこうした行為は紛れもない名誉毀損行為であり、この人物が本当に「国立大学教員」で、もし仮に学会で多少なりとも影響力のある人物であったならば、その「名誉毀損」の責任は重く、まさに裁判で訴えるべき相手だと私は思う。この国立大学教員の「触れ回る」行為は、個人的には一連のSTAP騒動の中で「もっとも許せない行動」のひとつだと思っている。この「国立大学教員」には、表に出て来てきっちりと責任を取ってもらう必要があるだろう。