NHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」について、「人権侵害の限りを尽くした」とする小保方晴子氏からの申し立てに、BPO放送人権委員会は審理入りすることを明らかにした。http://www.bpo.gr.jp/?p=8254&meta_key=2015
まさに「人権侵害の限りを尽くした」NHKの報道姿勢について、BPOは厳しく追及して行って欲しい。
NHK側は、この小保方氏からの人権侵害申立に対してこう反論している。

 「本件番組は、申立人がES細胞を盗み出したなどと一切断定していない」としたうえで、「今回の番組は、世界的な関心を集めていた『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、2000ページ近くにおよぶ資料や100人を超える研究者、関係者の取材に基づき、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」と反論した。

「盗んだと断定しない」ように「表現に配慮」したものだから人権侵害ではないと言いたいのか。

NHK
スペシャルが放送された翌日、元NHK職員でネットやマスメディアでも論客として大きな影響力を持つ池田信夫氏は「なぜ小保方氏はES細胞を盗んだのか」というブログ記事を書いており、問題の場面についてこう述べている。

 STAP
細胞と称するサンプルのDNAが若山研究室のES細胞と同一で、彼女の研究室の冷凍庫にも同じES細胞があった。ここまでは既報だが、そのES細胞をどこから入手したのかが問題だ。この番組では、元留学生が電話で「私は渡していない。驚いた」と話していた。
 これだけでは決め手にならないが、彼女の冷凍庫にあったES細胞が若山研究室のもので、誰もそれを渡していないとすれば、彼女が盗んだと考えるしかない。

実名でここまで「正直」に書いた人はあまりいないが、テレビ視聴者の「印象」としては大方こう受け止められていると言って良いだろう。事実、ネット上では「盗んだ」ことがまるで「事実」であるかのように流布していったわけで、元理研研究員の石川智久氏は「小保方氏が名声や安定した収入を得るため、STAP論文共著者の若山照彦教授の研究室からES細胞を無断で盗み出した」として刑事告発をした。(警察はその告発状は受理せず、被疑者不詳の窃盗事件として捜査)

この「風評」の原因がNHKスペシャルであることは疑いようがなく、「断定していない」という言い訳は通用するはずがない。番組放送と人権侵害の因果関係は明白であり、番組制作関係者の責任は極めて重大だ。

この「泥棒呼ばわり」については、小保方氏は両氏に対して名誉毀損で告訴する可能性もあると私は思っている。
裁判になった場合、池田信夫氏は「泥棒呼ばわり」の根拠としてNHKスペシャルの放送内容を挙げることになるだろう。すると司法によって番組制作の正当性が問われる可能性もあり、そこからNHKの不正が暴かれることになるかもしれない。一方、石川氏の場合は「泥棒呼ばわり」の根拠として「証言者」がいるはずで、それも司法によって暴かれることになるかもしれない。

BPO
の審理入りは、窃盗事件の捜査と合わせてSTAP事件全体の真相解明に近づく第一歩なのかもしれない。