NHKのスクープとして320日に流れたニュースについてもう一度考えてみた。かなり妄想が入っているのでその点は断っておきたい。

 STAP細胞の問題で、万能細胞作製の決定的証拠とされた緑色に光り出す細胞について、小保方晴子元研究員が去年11月、STAPと判断するための確認が十分できていなかったという内容の証言を調査委員会にしていたことが分かりました。4月の記者会見の発言とは異なる内容で専門家は、理研は、詳しい証言内容を明らかにすべきだとしています。緑色に光り出す細胞は、体の細胞が、万能細胞に変わったものだとされ小保方元研究員らが去年1月の記者会見でもSTAP細胞が出来た決定的な証拠だと映像などを発表しました。

 これに対して、多くの専門家からは細胞が死んだ時に光る「自家蛍光」という現象でSTAP現象とは関係がないという指摘が出ましたが、小保方元研究員は、4月の記者会見で自家蛍光ではないことを確認していると否定していました。

 ところが、NHKが去年11月に小保方元研究委員が調査委員会に証言した内容を入手したところ「自家蛍光なんじゃないかとかそこまで思ってなかった」と話し、委員から「調べれば簡単に分かりますよね」と尋ねられると「やってなかった」「甘かった」などと答え、STAPと判断するための確認が十分できていなかったという内容の証言をしていました。

 映像は、自殺した笹井芳樹元副センター長がSTAP細胞を信じる根拠だと話していたもので理化学研究所の対応にも影響を与えたと指摘されています。東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は「真相解明が遅れるなど重大な影響が出たおそれがある。STAP細胞は否定されたが小保方氏自身がどう説明したのか理研はもっと明らかにする必要がある」と話しています。これについて小保方晴子元研究員の見解を、代理人の弁護士を通じ求めましたが、回答はありませんでした。

このニュースがどういう経緯で流れたのか推理してみる。
STAP問題はリーク報道がやたらと多いのが特徴的だった。その情報源はいくつもあってNHKは情報源をたくさん持っている。私は、STAP問題におけるリークの動機は最低三つあると思っている。巨大な罠があったという陰謀説だともうひとつ増えるが、それはこの際除外する。三つとは、正義感によるもの、私怨によるもの、煙幕的に情報をコントロールしようとするもの。

そして、今回のリークは「正義の有志」でもなく、私怨によるものでもなく、理研本部を守ろうとする勢力による可能性が高いのではないかという気がしている。情報の内容から見て組織の上の方から得たと思われるからだ。


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20日は野依理事長が記者会見を開き、STAP問題の実質的終結宣言が出される日だった。そのタイミングで流されたニュースだったため、このまま終結することが許せない「理研有志」の義憤によるものかと最初は考えた。そしてNHKの記者も強い正義感で「このまま終わらせてたまるか」という気持ちがあり、この情報に飛びついたのだろうと。しかし、良く考えるとどうも情報の質が下っ端の人間が手に入れるような性質のものではなかった。また、後に藤原記者が書いた記事で情報の中身が判明したが、先日指摘したように特にスクープと言えるほどの重要証言でもなく、隠蔽された事実を暴露すると言った性質の資料ではなかった。証言内容は不正問題とは直接関係がなく、単に小保方氏の未熟さを指摘する意味合いしか持たない中身であった。

ここで、改めて320日のニュースを見てみる。
このニュース原稿の書き方と後の記事を比較すると、もしかしたらこの時点では資料そのものはまだ入手しておらず、「いつもの情報源」からメール程度で「こういう話があるよ」というリークを受けた状態だった可能性もあるように感じる。いつもの信頼できる情報源であれば、紙ベースの資料がなくても報道される可能性もあるのではないか。そして、「いつもの情報源」がこのタイミングでリークした理由は「野依会見」と関係しているのは間違いないだろう。その動機だが、「このままでは終わらせない」という記者の思いとは別の、野依会見のニュースで予想される理研批判を、滅多に表に出てこない小保方証言というインパクトのあるニュースで国民の目を逸らしたい意図があったのではないだろうか。つまり、このリークには理研本部を守りたい意思が働いていたということだ。もしかしたら、今回の情報源は調査関係者自身ではなく、文科省からの出向者などの事務方なのかも知れない。
NHKSTAP報道は個人攻撃の度合いが強く、結果的に理研本部を守る方向に力が働いているのだが、もしかしたらNHKの「取材班」は、文科省と理研本部の情報コントロールに踊らされているのではないだろうか。そんなことを思ったりふとグルなのかとも思ったり。