とあるお店で幽霊騒ぎが起きました。
そのお店では妖精が見つかったというニュースが話題になったのですが、妖精を見つけた子供がチョコを万引きしていたことが後から分かりました。大人たちは「手癖の悪いアイツのことだから、客を殺してその幽霊を自分たちに見せたのに違いない」と言ってみんなで子供を責め立てました。子供は「チョコは食べたけど盗んだつもりはなかったんだ。でもそれは悪いことだったんだよね。ごめんなさい。でも僕は人を殺してなんかいないよ。みんなが見たのは幽霊じゃなくて妖精だよ。」と言いました。大人達はみんな「幽霊の正体は妖精なんかじゃなくて人の死体に決まってる」と言いました。

店長さんが出てきて「この子は泥棒です」とだけ言って、幽霊のことを誤魔化そうとしました。それを聞いた近所の子供やおばさん達は「幽霊のことはどうなったんだ。チョコを盗むような子供は人を殺したに決まってる」と大騒ぎです。


幽霊騒ぎが大きくなって収まりそうにないので、店長さんの依頼で幽霊調査隊が出来ました。聞き取り調査では、子供はチョコ以外にアイスクリームも食べていたことが分かりました。さらに調査隊に協力する調査員がお店の中にあった幽霊の標本を見つけて詳細な検視をしました。検視したのはお店の店員でした。店長さんと仲が悪いことで有名です。
その頃、妖精を見つけた子供は自分が人殺しをしてないと証明するために妖精を捕まえようと頑張りました。でも結局妖精は現れませんでした。検視の結果、子供が見つけた妖精の正体はどうやら死体らしいということも分かりました。ただ、この死体が事故死なのか他殺なのかは分かりません。

調査員の報告を受けた隊長が「事故死ということは考えにくいので恐らく他殺と思われます。犯人は分かりません。」と言いました。
ある人は「論理的帰結としてその子供が犯人です。」と言いました。
ある人は「犯人は他にいる。その子は嵌められた。」と言いました。
ある人は「事故死が他殺に見える調査隊の目はフシ穴だ。」と言いました。

店長さんは、幽霊調査隊の調査報告をおばさん達に見せる前に子供を自分の手から離していました。そして少し経ってから「この子は実にタチの悪い泥棒でした。」とおばさん達に伝えました。おばさんから殺人のことを問い詰められると、店長さんはゴニョゴニョと意味不明なことを口走りました。

そしてまた「客を殺した子供を絶対許すな!」と近所の子供達の大騒ぎが始まりました。



その様子を見ていた少年はつぶやきました。「そもそも、本当に死体はあったの?」
少年は大人を信用できなくなっていました。調査隊のことも信用していません。
その少年は言います。「幽霊を見て死体だ死体だと騒いでいた人達の中に、標本に細工をした人がいるんじゃないの。妖精が死体に見えるようにこっそり化粧した人がいるんじゃないの。」

かくして妖精伝説はこの先もずっと生き続けるのでありました。
どんどはれ