NHKのコント番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』のコントのひとつ『NHKなんで』は「お堅いNHK」をデフォルメしたコントで私も大好きなコントなのだが、先日放送されたものは特に秀逸で、それは国会で「NHKのバラエティーが低俗」と追及した議員がいたことを意識して作られており、そんな「国会の追及にコントで応戦」したNHKに対し、「これこそ攻めの笑い!」とたくさんの人がその内容の深さを賞賛している。しかし、それも褒め過ぎると「笑いってそんなに高尚なもんなのか?」といった反発を生むことにもなるだろう。

深い部分なんてなんの興味もなく単に面白いかどうかで選ぶのが大衆というもの。見る方にしてみれば余計なことをなんも考えずに大笑い出来れば十分だし、LIFE!のコントで言えばイカ大王やゲスニックマガジン、宇宙人総理などの深読みしないで単純に笑える笑いの方が、より素直に楽しめてよりたくさんの人の共感も得られるだろう。

そういう意味で例えば民放の番組制作者が「知的な笑いなどクソくらえ」と、より大衆的な笑いを追求するのは良いことなのだが、その際に大事なことは裏方の制作者には知性は不可欠なのだということだ。番組予告で騒動になり放送を取りやめたフジテレビのめちゃイケ「阿呆方さん」のような、知性に欠ける制作スタッフの下劣さをそのまま表したような質の悪い笑いを作っておいて「こんなことでいちいち抗議を受けていてはたまらない」と言うような番組制作者のモラルの低さは大いに批判されるべきだろう。

笑いを楽しむ視聴者には別に知性は必要ないが、提供する側の制作者には知性とモラルは必要不可欠で、低俗番組と呼ばれるような番組を制作するにもタレントを使う制作スタッフには知性とモラルはなくてはならない。ところがそのどちらもスタッフに欠けているのがめちゃイケやロンハーと言ったバラエティ番組だ。

キャラクターの面白さで笑いを取るのは笑いの王道だが、制作者が捻り出して作り上げたキャラクターで笑いを生むLIFEのスタッフと、タレントのキャラクター頼みで番組制作をしてきたバラエティ番組のスタッフの「笑い」に対する意識の違いは歴然としている。

めちゃイケやロンハースタッフの笑いに対する考え方の安易さが、キャラクターはタダで拾えるものといったいい加減な扱いをしてしまい、今回のように「小保方さん」という際立つキャラクターをお手軽に拾って勝手に商品化しパロディにするという間違いを犯す元となっている。
そして抗議を受けてもなお「トーンを下げるのでやらせて欲しい」と言ってきたとか。守ったら負けの精神のつもりか知らないが、根本的な間違いを分かっていないからこんな図々しいことが言えるのだろう。

笑いが高尚である必要はないが、笑いを作る者に知性がないのは致命的だろう。