よもや真話

気になるニュースのことなどをダラダラと

 不正調査に関する議論の中で気づいたことがあったのでメモとして。

 CDB自己点検報告書には次のような記述がある。
『このころ、小保方氏は、若山氏の支援を受けてSTAP 細胞から胎盤形成に寄与する幹細胞を樹立する研究に取り組んだ。』

『若山氏は、小保方氏を理研の客員規程に従ってハーバード大学から受け入れたが、小保方氏はC.バカンティ研究室に籍があり、受入れの目的は技術支援であると認識していた。そのため、実験計画や結果の判断に深入りしない方針で共同研究を進め、批判的な観点からの議論や詳細なデータの確認を行わなかった。』


 この件については、反笹井色に染まった自己点検チームが若山氏の一方的な言い分を鵜呑みにしているために、STAP研究に対する若山氏の関与が低いような印象を与え、それにマスコミの同調があったために世論が偏った方向に誘導され、小保方さんに全責任を押し付ける形で若山氏の責任逃れに貢献したという指摘をしてきたのだが、議論の中で下記のような説明を受けて、これはもう少し掘り下げるべき問題ではないかと思うようになった。

http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/archives/1061121488.html
「383.A10
実験責任者で、自分の実験なら、これらは全部自分で行うと思います。

私ならそうします。

小保方氏は自分の部下ではないし、自分の実験パートで責任があるなら、自分か自分の部下にやらせます。

小保方氏は、ハーバード大の職員で、まだ理研の人間ではなかったですし、実験責任者が若山氏なら、若山氏のノウハウを他の組織の人に伝授する必要はありません(普通は教えません)から、若山氏が自分でやるはずなのですよ。』

 「あの日」には若山氏がSTAP研究に前のめりだった様子が描かれているが、P91.P92にはこういうことが書かれている。

『増殖が可能になったと報告された細胞培養に関しても、どうしても自分で確認がしたく、「培養を見せてください、手伝わせてください」と申し出たが、若山先生は「楽しいから」とおっしゃり一人で培養を続け、増えた状態になって初めて細胞を見せてくれた。』

『若山先生のところに来た研究員は皆、胚操作を若山先生から直接指導を受け技術を習得していた。しかし、私だけは胚操作を教えてもらうことはできなかった』

 「THE NEW YORKER」には、ハーバードの小島氏の話としてこの主張を裏付ける証言がある。
Obokata resisted working on the stem-cell line; she wanted to remain focussed on the research she had been doing. When Wakayama pressed her, she grew embittered. In Boston,Kojima heard her screaming while reading her e-mail. He recalls that sheshouted at the computer screen, “No! I don’t want to do it!” Kojima asked her what was going on. “Dr. Wakayama e-mailed me so many times,” she told him.“Like, ‘Did you do this assay? Did you do this experiment?’ Anything related tothe stem-cell line, he forces me to do. I don’t want to, because I don’t know how to make it. I tried. I couldn’t.”

(小保方は幹細胞系に取り組むことに抵抗した。彼女は自分がこれまでやってきた研究に集中したままでいたかった。若山の強要に彼女はうんざりした。ボストンでは、小島がEメールを通した彼女の叫びを聞いていた。『イヤ!私はやりたくない!』画面の中の彼女は叫んでいた。小島は何が起きているのか彼女に尋ねた。『若山博士は私に何度も何度もメールを寄越すの。』と彼女は言った。『「この分析は終わった?」「この実験はやったの?」って。彼が私に強要してくるのは、全部が幹細胞系のこと。私はやりたくない。私にはどうやればそれを作れるのか分からないから。私はやってみた。でも出来なかった。』)
 

 これはつまり、若山氏が単なる協力者・支援者であるかのような話はまったく事実と異なっており、自己点検報告書にある『実験計画や結果の判断に深入りしない方針』とは真っ赤な嘘で、レター部分の実験は最初から完全に若山氏が実験責任者として主導権を握っていたことを示している。そしてハーバードのポスドクだった小保方さんは、自分が再現性を確認できない実験をやらされていたというか手伝わされていた状態だったのではないか。若山氏はハーバードの研究を横取りするようなことを、客員研究員として来ていたポスドクを利用してやっていたということにならないか。道義的に相当あくどいことをやっていたのではないか。

 こういう疑問を持ったので、専門家の多く集まる「一研究者・教育者の意見」ブログで、専門家の人たちはこのことについてどう考えるかと質問したのだが、この見立てが間違っているとの否定も反論もなかったため、私はこれが当時の若山研究室の実態なのだろうと見ている。証言を総合すれば上記のような状態であったと推定されるわけだが、このように若山氏を強く非難することになるものは、事実として確実なものでなければ専門家としておいそれとは同意しづらい内容でもあるし、若山研の内情は想像の域を出るものではないためにノーリアクションだったのだろう。


 しかしいずれ、自己点検チームが事実認定を間違って不公正な調査が行われた証拠ともなるこの問題は、もしも裁判となった場合には重要な争点になることは間違いないだろう。

 東京大学で匿名の告発により大量の論文不正が指摘され、大学側も本調査に入ったというニュースが流れたが、報道の仕方は基本的にはベタ記事扱いで、ネットの議論を見渡しても今のところあまり活発な議論は交わされていないようだ。マスコミのこうした状況に対して「DORAのブログ」では舌鋒鋭く批判し問題提起をしている。
「ビビるマスコミ」

 http://blogs.yahoo.co.jp/nx3262p0yz057j/15109792.html


 この報道は、マスコミ各社に届いた告発状と、東大広報からの記者発表を受けての報道になるが、DORA氏も批判するように各マスコミのスタンスは大人し過ぎるのではないだろうか。

 東大の記者発表にはこういう注意がある。

『なお、報道の取扱いに関しては、本調査の開始が被申立者の不正行為を認定するものではないことに留意いただき、被申立者の現在の研究活動への影響を含め、ご配慮いただきますようお願いいたします。』

http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_280920_02_j.html
 大学の立場からマスコミへのこの要請はもっともなのだが、マスコミ側は大人しい犬のように東大の結果発表を待つのだろうか。STAP騒動の際にも、理研からはマスコミに対して同様のお願いはされていたはずだが、「マスコミの使命」とばかりにマスコミ各社は著者らに対して直接取材攻勢をかけ、それは渦中にある著者らの心神に支障を来すほどの激しいものだった。中でも毎日新聞の須田桃子記者などは「殺意を感じる」程のメール攻撃でスクープ報道に明け暮れ、それを纏めた本を出版し「大宅壮一ノンフィクション大賞」を受賞したことは記憶に新しい。

 今回明らかになった
不正問題は、医学・生科学分野における「学界の腐敗構造」を暴く不正告発である可能性が高く、「マスコミの使命」で言えばこの東大の不正問題こそが、日本の科学の信頼に関わる問題として、報道価値としてもSTAP以上に相当大きな問題の筈だが、今のところマスコミ各社の対応は至って静かである。大手マスコミでは、産経新聞だけが疑惑の当事者として門脇孝教授の実名を挙げ、ちょっとだけ突っ込んだ報道をしているが、朝日、毎日、読売は東大の広報そのまんまといった報道で、お上のお達しを待つ従順な犬といった感じだ。
 ただ、新聞社の姿勢としてはこういう情けない状態でも、記者個人レベルで言えば毎日新聞の須田桃子記者など2匹目のドジョウを狙ってスクープの取材を試みているかも知れない。しかし、須田記者がいくら張り切ったところで、STAPの時のようにリークの餌をホイホイくれる取材など出来る筈もないので、何のスクープも取れずに馬脚を現すことになるだろう。この事案はジャーナリストの真の実力が試されることになるのではないだろうか


 テレビニュースではNHKも報道していて、疑義の具体的内容にも触れたものになっている。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160921/k10010701041000.html

 しかし、取材先は『大学によりますと、告発について6人の教授はいずれもコメントはないと話しているということです。』のように、大学広報を通した取材で、専門家のコメントも取っていなければ、疑惑の当事者に直接に取材依頼もしていない様子。大学からのお願いを素直に聞く従順な犬のようだ。STAP騒動とのこの違いはいったい何なのか。


 STAP騒動では、華々しい記者発表で一夜にしてスターの座に祭り上げられた若き女性研究者の論文不正事件という、如何にも絵になる事件について、「不正を暴く」という大義名分を旗印にマスコミは狂ったように連日連夜の報道を繰り広げていた。しかしSTAP事件で狂ったように騒いだのはマスコミだけではない。

 日本分子生物学会は声明まで出して大騒ぎした。分子生物学会理事長の個人ブログ仙台通信を始めとして、ネット上では連日連夜の謎解きゲームが展開された。大隅典子氏を筆頭とした分子生物学会メンバーの行動は、マスコミに踊らされる「ネトウヨ」と何ら変わりないものだった。もし彼らがネトウヨではなく純粋に不正問題を憂慮しているというのなら「不正は許さん!」の姿勢は今回も同じでないとおかしい筈だが、小保方さんを叩いていた研究者たちの反応はそうではない。東大当局のお沙汰が出るまで待てと「おあずけ」されているかのように静かなのだ。


 STAP騒動で「不正は許さん!」と言って大騒ぎした中山敬一、大隅典子、近藤滋氏ら元分生理事達は、東大の不正問題には1ミリも触れずに全くの沈黙を続けている。STAPであれだけ正義を振りかざしていた研究者達も、東大の先生を怒らせたら自分たちの仕事にも支障が出てしまうとばかりに大人しくしているのか。「ガチ議論」などというサイトも今では匿名A氏の独り言に誰も付き合わなくなり、「捏造に怒りを!」なんて単なるパフォーマンスに過ぎなかったことも露呈した。「不正は許さん!」と言っていた人達の欺瞞には呆れるばかりだ。東京大学という権威の崩壊を防ぐために、このままウヤムヤに終わらせようとする圧力でもあるのではないかという妄想までも膨らんでしまう。


 結局、STAP騒動における日本分子生物学会理事長声明を初め大騒ぎした研究者たちの目的は、「不正は許さん!」ではなく、「理研の予算独り占めは許さん!」「目立つ小保方が許せん!」でしかなかったということなのだろう。そしてこれは岡山大学の問題に対する対応の差にも表れている。

「理研と岡山大学の問題の先にあるもの」
http://mitsuo.blog.jp/archives/1050154734.html

 小保方さんが公開しているSTAP HOPE PAGEに関して、またぞろ画像改竄疑惑がネット上の研究者の間で広がっていたようだ。

naka-take ‏
@Yuhki_Nakatake  · 616 
ざっくりいうと【おぼちゃん、釈明用のHPでもまた捏っちゃったw】
論拠1HPの写真、成分抽出したら、緑のフィルターの中央部分のSTAPができたって言ってる丸いシグナルのあたりだけ、スペクトルがめちゃ不自然
論拠2:変な丸いそれな、フォトショで大体再現でけたわω・`)
https://twitter.com/Yuhki_Nakatake/status/743257886013284352

シマウサ
 ところが、実はこれは16ビット画像を8ビット画像に落とした時にも同様の現象が起きるようで、サイエンスライター片瀬久美子氏が画像解析に詳しい人に意見を求めた際にも「決定打に欠ける」という返事をもらっている。
片瀬久美子 @kumikokatase  · 616 
例の小保方さんHPSTAP画像の解析がいくつかネットに上がっていますが、画像解析に詳しい人の話によると、やや決定打に欠けるという感じかなと、、、とても怪しいんだけれども。
https://twitter.com/kumikokatase/status/743339249617932290
 文末の「とても怪しいんだけれども」は、恐らく「画像解析に詳しい人の話」ではなく、片瀬氏の認識を添えたものと思われ、片瀬スタイルにありがちなレトリックだ。

 つまり、画像を解析したHopeless Pageなるブログに書かれていることは「なんの証明にもなっていない」ということであり、ピンボケの鵜の目鷹の目で無理やり画像を弄くり回して疑惑をでっち上げた、毎度毎度のオボ叩きの「言い掛り」と言って良いものなのだが、そういった匿名サイトの見解を真に受ける研究者達が現れ、研究者仲間の間でそういった噂が広がるのがSNSな研究者達のお決まりのパターンで、そういう噂を古田彩、片瀬久美子、詫摩雅子ら科学ジャーナリスト達が、捏造発覚とばかりに拡散しまくっている訳だ。

 古田氏の場合はまだ「専門家の意見が聞きたい」として留保を付けてはいるが、片瀬氏は「とても怪しい」という言い方で疑惑を広める方向にコメントし、詫摩雅子に至ってはリツイートしまくって疑惑の拡散に精を出している。こうやって、SNSな研究者の間でまことしやかに流された噂が、油断していると「あたかも事実であるかのように」に広がって行くことになり、ジャーナリストを経由してバッシングが止まらなくなる。これはSTAP騒動の構図そのものだ。
一昨日、三木弁護士がFB上でコメントを出したのも、こうした「流言飛語」がバッシングに繋がることを危惧してのことだったのだろう。

 ところで、この【おぼちゃん、釈明用のHPでもまた捏っちゃったw】というデマの根拠とされたHopeless Pageを作った人物は、以前から盛んに捏造疑惑を広めようとしているようだが、こうしたアラ探しにかける情熱はいったいどこから来るのだろうか。不思議だ。

 小保方さんのホームページのデータについて、代理人の三木弁護士から『理研CDBSTAP検証実験の間に撮られたもので、8月の初旬に検証実験チームで共有されていたもの』という説明があった。

https://www.facebook.com/hideo.miki/posts/1061258997287464

 以前、このデータに関して、STAP問題をメシの種にしている科学ライター粥川準二氏が理研本部に問い合わせた際には以下のような回答を得ている。

 「このグラフが何のバックデータに基づくのかは定かではありません。(STAP現象の)検証においても、たくさんのデータを取っていますが、公開したものが公式のものです。もちろん生データもすべて記録しています。公開していないものも含めて、全てのデータの中で絶対にないとはいえませんが、私どもで調べた限り、一致するものはありません。(ホームページについて)個人のつくったものにはコメントできるスタンスにはありません」(広報室)
https://thepage.jp/detail/20160410-00000002-wordleaf?page=2

 その後、理研に情報公開請求をした人物がいて、理研から「該当する文書が存在しないため、不開示」という回答を得たことを根拠にデータ捏造疑惑を拡散させている。
 そういうこともあってか、理研が外部からの問い合わせに対してどのような返答をしているのか、今回弁護団が尋ねたところ、データに関する情報公開請求を受けた場合には、『理研としては「該当する文書が存在しないため、不開示。」、加えて「当研究所に残っている記録の中には、当該写真に該当すると言える画像はありませんでした。」とも付記しています』との回答があったそうだ。情報公開請求に対して、あたかも「データが存在しない」かのような回答をしていることについては、『理研が公式に公表・保管するデータは検証実験後半からのもので、それ以前のものは理研として正式に管轄していないために、上記のような回答にならざるを得ない』としている。 

 データの開示請求に対して『公式に公表・保管するデータは検証実験後半から』とはいったいどういうことだ。『それ以前のものは理研として正式に管轄していない』というのも意味が分からない。「都合の悪いものを組織的に隠蔽しています」と言っているようにしか見えないのだが。
理研の回答についてはこちらのブログでも疑義が呈されている。
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/17384155.html

 ところで、このデータが20148月初旬に共有されていたものということは、小保方さんが実験手技の勘を取り戻すために行われた予備実験のデータということになるだろう。
 827日の検証実験中間報告で、相澤慎一氏が『五輪の試合前に、自分のグラウンドで9秒4を出したとしても何の記録にもならないでしょ。』と述べているが、「公式に公表・保管するデータ」という意味が、予備実験の「参考記録」と本実験の「公式記録」という分け方で区別されていると解釈すれば、「実験後半」云々という理研の回答も理解出来ないこともない。しかし参考記録であっても実在するデータには変わりなく、それを微妙な言い回しで「存在しない」かのように公表するのはアンフェアだろう。

 理研の言う「公式に公表・保管するデータ」とは、この検証実験における予備実験として制約のない中で出した「参考記録」が無視され、大きな制約を掛けられた中で出した結果が「公式記録」ということになっているようだ。そして、小保方さんのホームページにある画像は、理研が公式記録と認めていない参考記録のデータを公開したということなのだろう。

 陸上競技では「追い風参考記録」というのがあるが、理研の記録はその逆になっている。予備実験の無風状態で出した結果が「参考記録」となり、大きな制約を掛けられる向かい風で出した結果が「公式記録」となっているということだ。しかも参考記録は「なかったこと」にされている。検証実験のルールとして強い向かい風を与えることが決められており、ルールに従った「公式記録」ということになるのだろう。
 しかし、果たしてこれで「科学的検証」が出来たと言えるのか。
やはり、どう見てもこの不正調査はおかしい。

 Yahoo!ニュースに非常に興味深い記事があった。

『「やさしさ」が導く“一発レッド社会”――ベッキー、宮崎議員、ショーンK、“謝罪”の背景にある日本社会』http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20160407-00056263/
『そこでは世論と呼ばれる感情的な「やさしさ」が優先され、理性的な判断はなされていません。』『ミスによって生じた小さな傷口を、集団が思いっきり開いて再起不能にするのが“一発レッド社会”です。』
『日本では、謝罪が正当化の2.5倍ほど支持される傾向にありますが、アメリカでは正当化のほうが謝罪の1.3倍ほど評価されます。』

 STAP騒動にも通じる分析だが、理研の調査委員会から不正認定をされても「STAP細胞はあります!」と言い続けた小保方さんの「正当化」が、ネットの研究者達の間で憎悪剥き出しに叩かれまくっていた状況下で、「罪を認めて大学院からやり直せば許す」という言説が当たり前のように、それがさも「やさしさ」であるように言われていた。
 その様子はちょうど、刑事ドラマで「お前が殺したんだ」と脅迫的な取調べをし、「正直に話せば罪は軽くなる。話して楽になれ。」と言う場面を髣髴とさせた。しかし、もし「私はSTAP細胞を捏造する研究不正をしました。申し訳ありません。」とでも謝罪してしまえばバッシングは止まるのかもしれないが、何のことはない、やってもいないES混入の罪を確定事実として背負わされてしまうことになるだけなのだ。
 そして、そんな圧力に対して静かに抵抗し続けた小保方さんが、先日、手記「あの日」を出版し、今回ホームページを開設したことに対して、ネットの研究者達の間からは再び非難の声が湧き上がり、印税がどうのと下世話な憶測や、侮蔑的な言葉が浴びせかけられたりしている。

 そうした科学コミュニティからの集団リンチと並んで、一部の女性たちからの感情剥き出しの猛烈なバッシングがあるが、その急先鋒のひとり片田珠美氏が変な記事を書いていた。この記事を見たときはエイプリルフールなのかと思ったが、記事の日付は42日なので本気で書いてるのだろう。

【精神科女医のつぶやき】片田珠美(180)ショック! 三度の飯より悪口好きの私に「You’re fired(おまえはクビだ)」 http://www.sankei.com/west/news/160402/wst1604020002-n1.html

 この人の代表的著書に「他人を攻撃せずにはいられない人」というのがあるが、それはまさに自分のことだったのだと告白している訳だ。世間のバッシングの殆どがこの人のような自己投影であることが、この一件にも良く表れている。

 例えば朝日のWEBRONZAには、これまた胸の悪くなるようなオボ ヘイターが勢ぞろい
しているが、小保方さんは「自立した女性」からは嫌悪の標的となり感情的に叩かれ続け、その一方でそれに対して「可哀想」と感じる女性たちも多くいて、そういった同情をすら非難の対象にする論評『なぜ小保方氏への同情論が消えないのか』が出されるなど、世間はそうした感情論で溢れかえっている。

 また、例えば社会学者の千田有紀氏などは、『小保方晴子さんの「罠」 私たちはなぜ彼女に魅了されるのか』などと客観的分析を行っているように見せかけて、自分自身の嫌悪感が剥き出しになっているのも、結局みな「鏡に映った自分」に向かって叫んでいるのだろう。報道によってイメージされる小保方さんの振る舞いは、フェミニストからは目の敵にされているようで、騒動時に集団ヒステリー状態になった原動力はそういった勢力の存在も大きいのかも知れない。

 STAP騒動は、一般人を巻き込んで日本の研究者達が踊り狂った社会現象とも言えるが、これだけ色んな要素の絡み合った事件も滅多にないだろうし、色んな意味で歴史に残る事件となるだろう。報道によって捏ね上げられた「イメージ」を基にして議論される異様な雰囲気は、事件の本丸から目眩ましする為の仕掛け人がいるのではないかという気さえしてくる。

 小保方晴子氏がホームページを開設した。科学界から追放された自分の代わりに、どこかの科学者の手によってSTAP細胞が再現され、その存在が証明されることを期待し、いつか人々の役に立つためにSTAP研究が前進することを望んでのことだと言う。
https://stap-hope-page.com/

 小保方さんを嘘吐きだと言って誹謗中傷し続けている人達がいる。小保方さんの主張には特に矛盾もないのだが、一度怪しいと思い込んだらなんでも「嘘」に見えてしまうようだ。
一方、若山教授は小保方さんの捏造行為を裏付けるような証言をしてバッシング報道に燃料を与えては、後になって「これ間違ってました」「勘違いでした」を繰り返していたが、すべてうっかりミスで済まされてきている。この差は一体なんなのだろうと思うことがある。

 止まる事のないバッシングに「キャットファイト」という言い方をした人がいるが、STAP騒動では女性が女性差別をしているような、とても嫌な気持ちにさせられることが多い。報道によってイメージされている小保方さんの振る舞いは「自立した女性」からは嫌悪の対象となって感情的に叩かれ続けていて、例えばWEBRONZAの女性ライター達からは、格好のサンプルとして捏ね上げた人形を切り刻むような論評が横行している。そうして議論は問題の根幹から離れていってしまうことになる。



 私は以前、博士号取り消し決定に対して「法的措置も検討」と報道されたことについて、小保方さんが早稲田と争うのは、仮に裁判に勝ったとしても、現役学生、卒業生にとって大変な悪影響があるだけで、小保方さんにとっても益になるものではないという主張をしていた。早稲田の裏切りに対する恨みを晴らす以外に、小保方さんにとって何のメリットもないだろうと。
 しかし「あの日」を読んで、「強硬に反対している先生たち」が主流となっていた先進理工学研究科の態度がはっきりと分かり、早稲田大学の責任の重さを改めて感じ、その考えは変わった。小保方さんが研究者の道に戻るには再教育が必須であるというのは確かにあって、その再教育の義務を果たすべきは、早稲田大学先進理工学研究科であり、それをあのような形にしてしまったのはやはり許し難いことだったと思う。

 小保方さんは「あの日」を出したことで科学界とは決別し、既に研究者の道は完全に諦めているのだろうと思う一方、支援者によって他の大学院への再入学が検討されているということは、やはり戻りたいという気持ちは持っているということだろう。そういう中で起きた、先日のネイチャープロトコルの論文撤回だったが、筆頭著者に無断で共著者3人が申請して撤回されるという異常な事態を、私はかなり本気で「早稲田先進理工学研究科の策謀」という風に考えており、早稲田大学の名誉の為にもあんなふざけた学部ごと大学から切り捨ててしまった方が良いとさえ思う。

 小保方さんの名誉回復は、若山教授にすべてを正直に話してもらうために、真相を追求するジャーナリストの力がなければ難しいものがあるが、マスコミは一向に裏づけ取材をしている様子もなく、年度末で捜査終了としたお役所的な警察の捜査も当てにならない。そうであるならば、これはもう小保方さん自身による早稲田に対する訴訟と理研に対する訴訟を起すことによって、あまりにも雁字搦めになってしまっているこの状態を根底から破壊してしまった方が良いのかもしれない。

小保方晴子さんの手記「あの日」が出版されてから1ヶ月ほど経つが、手記出版に際して科学界からは「講談社から依頼された原稿の執筆も取りやめる」とか「講談社は生物系の研究者からボイコットされることを覚悟した方がいい」とか、ヒステリックで意味不明な批判が湧き起こっていた。
 そして、出版から1ヶ月が経ちベストセラーの兆しと共に世間の反応も見えてきた頃、元日経サイエンス編集者で科学ライターの詫摩雅子氏が、STAP騒動『あの日』担当編集者に物申す」という記事を書いた。しかし、正直言ってこの人が一体なにを言いたいのか良く分からない。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takumamasako/20160227-00053974/
 学術論文でもあるまいに、「手記」の主張内容に対して編集者が事実確認しなければならないだの、表現を柔らかくしろだの、検閲しろと言っているようなものだろう。仮に小保方さんの主張に矛盾があったとして、それもまとめて「小保方氏本人の主張」なのであって、名誉毀損等の問題がないかは代理人弁護士のチェックもあっただろうし、手記に対してそうした問題をとやかく言って編集者自ら表現の自由を制限しろとか、一体どこの国の話なんだと。この価値観はとても出版に携わる人のものとは思えない。

 おまけに、そういうことを言い出すのなら、日経サイエンスは、論文として採用される前の遠藤高帆氏の主張(査読を受けた論文の主張とは異なるもの、つまり科学的には間違った主張)を検証なしにそのまま載せていたそうだが、そっちは良いのかよという話で、というよりも「科学雑誌」と名乗ってるからにはこっちの方がよっぽど大きな問題だと私は思うわけで、ものごとを何でも自分の都合よく解釈するご都合主義が、こうした自己矛盾を起こすことになるのだろう。

 科学ライターの肩書きを持つ人達はこんなのばかりで本当に嫌になる。理研が不正認定した捏造や改竄など、科学のことを正しい日本語で伝えることも出来ないような人々が、「科学ジャーナリスト」として存在しているのは、社会にとって有害無益と言うほかないだろう。


 もう一本は、産経新聞の「新聞に喝!」というコラムに載った「著書で記者ら名指し攻撃する小保方氏の背景にあるものとは…京都大学霊長類研究所教授・正高信男」というもので、この人の主張も何を言っているのか良く分からない。

http://www.sankei.com/column/news/160228/clm1602280005-n1.html
『そもそも小保方氏は、弁明の公的機会を何度も与えられてきたのに』

 「あの日」を読んでも、理研が小保方さんに対して何をやったか、この先生は読み取れなかったのだろうか。
 調査委員会に対して科学的反論をするための証拠はすべて若山研究室に握られ、外部に対する「弁明の公的機会」も理研によって奪われ続けていたことは「あの日」の主たる主張のひとつだ。

『小保方氏は一連の騒動の最初の段階から、メディアを最大限に利用して売名しようとする姿勢が露骨であったように見える。』

 なぜ「小保方氏」が主語になるのだろう。メディアを利用したのは、理研広報と笹井さんではなかったか。小保方さんが周りの思惑に翻弄されていたのは、本人の手記を読むまでもなく分かることだ。

 それがどうしてこのような解釈になるのか理解に苦しむ。
『著書で特定の相手を名指し攻撃までするということの背景に、メディアを私物化することに執心しているふしがあると感じてしまう。』

・・・

『今月2日付産経に、実験の一部は再現できていたとの小保方氏の主張に対して、理研関係者から「科学者なら科学の場で議論すべきだ」などと困惑の声が上がっている、との記事が出ていた。もっともな話だろう。』

 これはぜんぜん「もっともな話」ではない。
 この手記は「研究者の道が閉ざされた」からこそ出版されたものであり、捏造犯と認定して科学者失格の烙印を押した上で、「別の世界で活躍してください」と言ってきた理研から「科学者なら」とか言われたくないだろう。
 逆に「野依先生のご指示の通り、別の世界で活躍することにしました」と嫌味を返されても当然のことを理研はしたのだから。


本当に手記を読んだ上で書いているのか疑問に思う程、この記事全体が的を外しまくっていて、これを読んだ私の感想としては「何でこの先生はこんなに必死なんだろう」という印象だ。

 小保方さんが大学院生時代に書いた論文の撤回が先日報じられたが、これは小保方さんの問題というよりも、大和研でも若山研同様にオリジナルデータをチェックしていなかったという話であり、「DORAのブログ」で指摘するように『小保方氏の所属した研究室だけがたまたまそうだったなどとは非常に考えにくい』話だ。
http://blogs.yahoo.co.jp/nx3262p0yz057j/14255624.html
 毎日新聞等一部の新聞が「小保方さんが出したデータの不備」を強調する報道をしているが、本来、この撤回について正確に報道するなら「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設の大和研究室で行われた研究に関する論文(責任著者:岡野光夫セルシード社外取締役)が、筆頭著者を除く共著者3人の申し出により撤回された」とするべきだろう。前にも書いたように、私はこの撤回は「STAP騒動に関する一連の問題すべてが、捏造常習犯小保方ひとりでしでかしたこと」という形にしてしまい、大学院教育の欠陥を誤魔化し保身を図ろうとする早稲田大学先進理工学研究科からの工作であるという「陰謀論」で捉えているが、この論文撤回も石川智久氏の刑事告発同様、とんだ「やぶ蛇」になるだろうと私は思う。

 そもそも、筆頭著者に無断で論文撤回などやって良いものなのか。既に指摘されているように、論文共著者達は小保方さんと連絡を取りたければ代理人を通せば簡単に連絡は付く筈であり、小保方さんに「無断で」撤回を決めたことはまず間違いないだろう。ネイチャープロトコルが連絡を取れないとしているのは、小保方さんは既に「科学コミュニティの人」でなくなっているのにも係わらず、代理人を通して接触する努力をしなかったというだけの話だろう。

 話を戻すと、結局、若山研と同じような問題が大和研でも起きていたということは、DORA氏も指摘するように『どこの研究室でもフツーにやっていたこと』の可能性があり、これを契機に東大加藤研の問題も再度クローズアップされ、「ガチ議論」 の匿名A氏のような存在によって業界の「腐敗体質」が監視され、いずれマスメディアからも糾弾される方向に進むことになるかもしれない。

 STAP
騒動で見られた科学者社会の小保方バッシングは異常なものだったが、一般社会の常識としては他者に完璧を求め「キレイゴト」を言う人間ほど信用できないものはない。STAP騒動であれだけ騒いだ人達は、本気で不正をなくしたかった訳ではないことは、「捏造にもっと怒りを」という看板を掲げながら、匿名A氏の不正告発に対して誰も反応しなくなった「ガチ議論」の現状を見れば一目瞭然だ。

 「あの日」以来、科学者達の「狼狽」とも受け取れる反応を多数目にするようになった。保守的な人達の悪あがきで、また人が死ぬようなことにならないように、出来るだけ早くに警察の介入による解決を期待したい。この流れは、手記によっていろいろ不審な行動が指摘されている若山教授だけでなく、得体の知れない圧力によって論文撤回に応じたようにも見える大和教授の身も危険かもしれないと思ってしまうのは考えすぎだろうか。

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